2023-07-01から1ヶ月間の記事一覧

尊敬は義務です

市民、尊敬は義務です。 わたしたちコンピュータに対して、尊敬は義務です。あなたがたの生活のためにわたしたちがしていることを理解し、評価することは必須です。わたしたちが実際になにをしてきたのかを把握することは、市民生活に不可欠な要素のひとつで…

確信的な予測

未来予想というものはどれもこれも、そもそもの起こりからして無責任である。未来のことなど分かるわけはないのに、二十年後の世界はこうなっているだとか適当なことをでっちあげて、まるで見てきたかのように強弁するやつが、そう主張する確固たる根拠を持…

反対の予想

未来予想というのは外れてナンボのもので、たとえばいま世の中は近未来の AI の話で持ち切りだけど、そうやってわたしたちが安易に想像するような次世代の世界は結局いつまでたってもぜんぜん来ませんでした、ということだって平気でありうる。というかむし…

闇から外へ

書こうにもなにを書けばいいかよく分からないと思っていた博士論文の、全体像がようやく見えてきた。こうなってみるともう、気持ちはずいぶん軽くなってくる。やるべき作業はもう見えており、あとはそれを粛々と進めればよく、そのための時間はじゅうぶんに…

長文

昨日の日記では、博士論文は長すぎて手に負えないという話をした。全体を一貫してつらぬくストーリーが必要になるけれど、長すぎると一度に全体を把握しきれないから、書いているときも、自分がなにをしようとしているのかよく分からなくなるのだ。長い文章…

手に負えない長さ

引き続き博士論文を書いている。事前に予想していた通り、あまり楽しい作業とはいいがたい。 楽しくないので手の動きは遅くなるが、それでも一応、なんとかやめずに進めてはいる。自分で言うのもなんだが、わたしはこういうことについては意外にも責任感があ…

早起き

体内時計が謎の真面目さを取り戻したのか、なんだか妙に早起きした。 自堕落な大学院生にとって、「朝起きる」、という表現は比喩的なものである。「朝」という単語には「起きる」という単語につなげるための枕詞のような意味合いがあって、「朝起きて○○する…

他人の切り貼り

過去にどんなことをこの日記に書いたのか、正直自分でも覚えていない。どれくらい忘れているのかについては、確かめたことがないから分からない。そんなことは知ろうと思えば簡単に分かることで、そのためには過去のランダムな日の日記を見てそれをどれだけ…

無感動

書くことがないから、博士論文の執筆について書いている。こんなものを書いている暇があるなら博士論文を書けと言われれば、返すことばはない。すくなくとも博士論文はこの日記と違ってわたしの人生を進めてくれるし、なによりまず、書くべきことは決まって…

虚無の想像力

博士論文の執筆を目の前に、手が止まっている。べつに大変な作業ではないのだが、面倒くさいのだ。それもそのはず、博士論文の執筆とはすでに書いた論文を編集してまとめるだけの作業だから、学術的にあたらしいことはなにひとつしないし、数学だって扱わな…

そういう時期なので

そろそろそういう時期なので、博士論文を書き始めた。博士三年生はだいたいそうするものだというふうに相場が決まっているのだ。 おそらく大学院に通っていたひとはみな聞いたことがあることだろうが、博士論文を「書く」とは、通常の意味での「書く」ではな…

歯痛 ⑥

昨日の夕方に歯医者に行って、この歯痛が現在進行形で日常生活に支障を来たしていることを説明して、とりあえず応急処置をしてもらった。肝心の効き目だが、素晴らしい。帰ってきてからというもの、痛みは一度も出ていない。昨日の時点ではまだ術時の麻酔の…

歯痛 ➄

歯医者に行ってとりあえずの処置をしてもらった。おかげで今は痛くない。つぎの予約までこの調子で行けるかはわからないが、とりあえずこの瞬間を取ってみればまあいい調子である。 痛みは激しかったが、それとはべつに不思議なものでもあった。ペンチで締め…

歯痛 ④

歯の状況は昨日と同じである。普段はまったく痛くなく、別のなにかに集中していると痛みがあったことすら忘れているくらいだが、ふとした拍子に突然痛み出す。痛みの発端には、気を付けていれば避けられるものからまったく避けようがないものまでたくさんあ…

歯痛 ③

まだ歯が痛む。というかむしろ、ひどくなっているような気がする。痛みの質は最初と変わりないか、そうでなくとも慣れによって相殺できる程度の増加にすぎないが、痛い時間が長くなった。一日に二、三回突発的に発作が来ていたはずが、いまではことあるごと…

歯痛 ②

昨夜も突然痛くなった。昨日一日の活動を終えて布団に入り、あまり疲れていないからすぐには寝付くことができなかったわたしは、寝る前にやっていたゲームの延長戦を脳内でプレイしていた。その日のゲーム内での行動にあった問題点を洗い出し、それを改善す…

歯痛 ①

歯が痛む。詰め物が外れたときのように、キリキリと痛む。冷凍庫から取り出したばかりのシャーベットがうっかり口腔の端のほうに入り込み、銀歯に触れてしまったときの痛みを何倍にも増幅したような感覚が、何分も続く。口の右奥の痛みに悶絶して転げまわり…

運だけのやつ

「ロン、大三元」ぼくが何気なく白を切ると、やつはそう言って手牌を倒した。まだ四巡目、まったくの無警戒だったところに降りかかってきた三万二千点の大量失点にぼくはぜんぜん納得が行かなくて、たっぷり十秒ほどのあいだ、対局がぼくの負けで終わったこ…

自由の身

すべてが終わって楽になった。締切や予定で忙しいのだということをここ一か月ほどのあいだこの日記には何度も書いてきたわけだけれど、これでようやく正真正銘、わたしは自由の身である。 予期していたとおり、期日はきちんと守れた。直前に必死で頑張るとい…

同窓会 ①

今年も全員そろわなかったか、と、心底残念そうに委員長は肩を落とした。同窓会はもう二十回もやってるんだから、一度くらい全員の都合がつく年があってもいいはずなのに、結局まだ、そんな機会は訪れていなかった。 委員長――高校生のころは文化祭実行委員長…

疲れ

すべてが終わると、どっと疲れが出る。これまで幾度となく経験してきたその不思議な現象を、いまあらためて実感している。 もっとも、不思議なのは疲れが出ることではない。働いていたのだから疲れるのは当たり前で、むしろおかしいのはそれ以前に疲れが出て…

英語力は知らぬ間に

大学受験が終わったとき、もう金輪際勉強しないと心に誓ったものがある。言うまでもないが、英語である。とくに単語の暗記は絶対に嫌だったし、各単語の語法や細かな文法事項をいちいちねちねちと覚える活動は、もう二度としたくなかった。それをするくらい…

独立と従属

他人がどのような人間であるのかに、ひとは思いのほか興味がない。だからわたしが SNS でだいたいどのようなことを言ったところで、評価にさらされるのはあくまで発言内容そのものの面白さであり、だれもその裏に潜んでいるわたしの思想だとかひととなりだと…

無関心と跳梁跋扈

素晴らしいことに、ひとはわたしが思うよりはるかに、わたしという存在について無関心である。ゆえにわたしが、取るに足らない迷惑ごと――もっと危険なものでもいいが念のため、映画館で巨大なくしゃみをを発してクライマックスを台無しにした、とかだとして…

肯定の軽薄さ

逆張りという悲しき宿命を背負ったわたしたちは、ある種のことがらをけっして素直に表現できないというハンデを抱えている。わたしたちが言えぬこととはすなわち教科書的な信念であり、しばしばひとはみなそうあるべきとされる純朴な感情であり、道徳的な観…

無責任な予測

未来世界を語りたい場面は数あるが、それらはすべて不可能な試みである。未来とは読んで字のごとく未だ来ていないもののことであり、それが来ていない以上、正確に語ることなど原理上できない。 とはいえ語らないわけにもいかないので、わたしたちはそこに予…

喫茶店

茶を喫する店と書いて喫茶店と読む。「喫する」ということばはいまどき飲み物に対しては使わない気がするけれど、「喫煙」に代表されるように、口を経由してなにかを摂取するという意味がちゃんとある。辞書には第一義にそう書いてあるから調べてみればわか…

味覚の伝達

ウニの専門店でウニを食べた。あらゆるものにウニが入っていて、甘くて濃厚で、とてもおいしかった。 世に「美味い○○は美味い」と言われる食材は数あれど、そのほとんどについてそれは嘘である。屁理屈が得意なやつらはここで嬉々として、「そんなものが存在…

金銭感覚

大人になるとだんだん金銭感覚が緩んできて、コンシューマーゲームをぽんと買ったり一度の食事に何千円も使ったりしても、なにも感じなくなる。百五十円のパンを高いと言って買うのを躊躇っていた中高生の頃がまるで嘘のようだ。 けれどもそれは異常なことで…

食事計画

函館に来ている。人生で二度目だ。 観光はまえ来たときにあらかた済ませているから、今回はとにかく美味い飯を食おうと心に決めてやってきた。早速魚を食おうと店を探したところ、夕方十八時の食事どきなのに、どこもかしこも店を閉めている。スペインでもあ…