面接

大学院にいるのも、もう来年で終わり。このまま順調にすすめば来年の今ごろにはもう博士論文の審査も終わってる計算で、しかも困ったことに、ことは順調に進んでる。つまりあと一年ちょっと経ったら、わたしは新しい環境へと放り出されるってことになる。大学生としてだいぶ長い期間を過ごしたからか、いつまでもいまの日常が続くような気がすることもあるっちゃあるけど、冷静に考えればまあ、それは錯覚だって分かる。

 

もちろん、未来のことはそれなりに考えてる。べつにそのことを自慢したいわけじゃなくて、単にわたしが、現実逃避をする性質じゃないってだけ。まあそもそも、逃避したくなるような現実じゃないしね。この変わり映えのしない毎日、ずっと大学院生のままでいたいとはそんなに思わない。それにまあ、その先に待っているだろうもののことを、わざわざ恐れられるほどにはよく知らない。

 

そうなるとまあ、最初に気になるのは、次の世界に行く方法。要するに、面接。次にどこにいくのかについてここで言う気はないけど、どこにいくにせよ、とにかくそこにいる誰かと話さないといけない。話してわたしのことを、採用に値する人間だと思ってもらわないといけない。

 

その面接ってのが、まあ、それなりにこわい。というか、よく分からない。いろんな試験をわたしはこれまでに受けてきたけれど、目の前の相手に自分をアピールしなさいっていう課題に出くわしたことはない。なにをすればアピールできたことになるのかなんて、そんなこと、だれにも分かるわけがない。

 

それなのに社会ときたら、なにを考えるかなんて分からない相手に気に入ってもらえ、とおっしゃる。そんな運試しみたいなこと人生を決めるなんて、まるでギャンブルみたいなこと。ペーパーテスト一発で人生が決まるっていう素晴らしいことを問題視する前にまず、こっちの不条理のほうをどうにかしてほしいなぁ。

 

でもまあ、世の中がそうなっている以上、それは受け入れなきゃいけない。なにが面接官を喜ばせるかが分からないなら、自分が思うように答えるしかない。まあ、開き直りだね。言ったでしょ、わたしは現実逃避をする性質じゃないって。

 

というわけで、考えておくわけだ。想定されるいろんな質問に対して、自分がどう思うのかを言語化しておく。想定外の質問が来るかもしれないけど、そうしたらそのとき、その場で考えればいい。

 

……よくよく考えると、それは得意分野だ。なんとびっくり。ここでたくさん書いてきた経験の蓄積が、そんなところで効いてくるとはね。