残像に口紅を (塗らない)

キーボードが壊れた。いまは幸い調子はいいが、ときおりいくつかのキーが効かなくなる。

 

最初に思ったのは、効くキーだけで日記を書いてはどうかということだった。正常なキーボードではできない、面白い挑戦だ。だがすぐに、尋常でない困難さに気づいた。母音を a だけしか使えないのだ。

 

 

次に頭をよぎったのは、日記が途切れる原因が物理的なものになるという意外性だった。途切れるなら私が飽きたか、忘れたか、そうか忙しくなったかだと思っていた。そして、この物理的要因が顔を出すことこそ習慣化に成功した証拠と気づき、私は安心した。

 

だが簡単な解決策には、私はしばらく気づかなかった。別の端末を使えばいいのだ。

 

さて、人はよく私の発想を突飛だと言う。だが自分では往々にして、それを直線的な演繹だと思っている。おそらく今日の思考がそれなのだろう。誰しも多かれ少なかれこういうことはあるのだろうが、自分の可笑しさに気づくことは少ない。

 

恥ずかしくも自分語りをしてしまった。またキーが壊れて文が中途半端になると困るから、今日はさっさと終わりにしておこう。