方針転換

決断とは、なかなかに難しいものだ。今日決断しないデメリットは、今日決断する労力に見合わない。人類の例にもれず、私はそうやって様々な決断を先送りにしてきた。失われた機会の大きさについては、考えない。後悔すると分かりきっているから。

 

その点、日課とは素晴らしい制約だ。問題を先延ばしにすれば、その間毎日苦労する羽目になる。具体的に言おう。日記の題材は尽きかけていて、私は題材選びに毎日苦労している。今日の題材を考えるより、新しい態度を決めた方が楽だ。

 

というわけで、自分の思考を言語化を日記にするのはしばらくお休みにする。代わりに何を始めるかは、明日決めることにしよ……危ない。今、決めなければ。

 

例えば、架空の日記を書く。私はほとんど家から出ないし、現実の私の生活には百四十字で足りないことなど起こらない。だからその代わりに、想像上の私の行動を書く。知人を勝手に登場させるのは気が引けるので、何か面白いものを見た (妄想した)、という話が中心になるだろう。

 

あるいは、私は登場しなくてもよい。この場合、小説と呼ばれるものが出来上がることになる。小説らしきものに何度も挫折した経験上、あまり設定をしっかりしない方がいいだろう。同じ名前の人物が複数日にわたって登場するかもしれないが、それは別人だ――もっとも、こんな断りを入れても、私が勝手にこだわり始めるのは目に見えているが。

 

これまでの文章を、文体を変えて書き直してみても良い。書く内容が尽きているので、内容を再利用しようという魂胆だ。正直、画一的な文体に私も飽きてきたところだし、あとから振り返ってみるのは日記の正しい使い方だ。

 

たまには本のレビューなどしても良いかもしれないが、毎日本を読破するのはより大変なので、メインの方策にはならないだろう。

 

もちろん、これまでのようなテーマが思いつくなら、それを書いても良い。ただ、方向性を変えると決断したのだから、これは非常手段にしよう――非常時に役に立つかは定かではないが。

 

結局どれにするかは、まだ決めていない。咄嗟の思い付きだから、いくつかの選択肢は論外なはずだ。一番いいものを選ぶことにしよう。物事を始めるためには、ある程度の柔軟性が必要だ。